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【コナコーヒー】特徴とグレードを徹底調査

コナコーヒーの特徴 ハワイ島

アロハ、ハワイ島のジュリです。

私はコーヒーに関心のある、いち消費者です。コナ地区に移住して、コナコーヒーの木が白い花を咲かせているのを見たり、コナコーヒーを飲むようになってから、コナコーヒーの魅力について調べ始めました。

このページでは、コナコーヒーが栽培されている土地・気候の特徴や、グレードなどの情報をまとめていきます。

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コナコーヒーの特徴と産地は?

コナコーヒーの特徴は、やわらかな酸味とすっきりとした味わいです。

世界三大コーヒーに、ジャマイカのブルーマウンテン、タンザニアのキリマンジャロ、そしてハワイのコナがあります。

このハワイのコナコーヒーは、アメリカ・ハワイ州のハワイ島のコナ地区で栽培されています。

コナ地区はミネラルが豊富な火山灰の土壌と、朝は晴れて午後は雨が降る特有の気候がコーヒーの栽培に適しているため、辺り一帯はコナ・コーヒー・ベルトとも呼ばれているんですよ。

コーヒーに味の違いが出る4つの理由

コーヒーの味の違い

わたしなりにコーヒーに味の違いが出る理由を4つに分類しました。

それぞれ解説していきます。

精製方法の違い

コーヒーの実を「コーヒー・チェリー」と言います。

と呼びます。

このコーヒー・チェリーから生豆を取り出すには、大きく2つ方法があります。

  • 収穫後すぐに水力で実から豆を取り出すウォッシュド
  • コーヒー・チェリーを天日干しして、乾燥させてから、豆を取り出すナチュラル

ウォッシュドはよりクリーンな味わいに、ナチュラルは発酵した果物のような風味が感じられる味わいになります。

ウォッシュドと、ナチュラルのコーヒーを飲み比べてみると、香りや味がまったく異なることに驚きます。

ナチュラル精製はブラジルやエチオピアなど雨の少ない産地で取り入れられていることが多いです。

一方で、ハワイ島コナ地区は日中雨が降ることが多い土地柄のため、ウォッシュド精製の農家さんが多いです。

焙煎度合いの違い

生豆を加熱して炒ることを焙煎(ばいせん)といいます。焙煎すると生豆は化学反応を起こしてコーヒー特有の香りや風味が出ます。

なので、コーヒー農園を観光しても、コーヒーの香ばしい匂いはしません。収穫後のいくつもの工程を経て、焙煎の段階でようやく、あのいい匂いに辿り着きます。

焙煎度合いは大きく3つ、LIGHT、MIDIUM、DARKがあります。

LIGHTに近づくほど酸味が強く、逆にDARKに近づくほど苦味が強くなります。

コーヒーの焙煎度合い

興味深いのは、焙煎度合いは店によって異なるということです。

焙煎度合いは、世界標準規格のような統一された指標がないようです。例えば同じ「MIDIUM」表記でも、店によって何度まで豆をいるのか変わってくるそうです。

ジュリ
ジュリ

店側が最もおいしいコーヒーになる焙煎度合いを、豆に合わせて調節しているんですね。

一般的には、コーヒーはMIDIUMを飲んで、そこから酸味を足したいならLIGHT、苦味を足したいならDARKよりを選んでいくといい、と言われています。

ちなみに、コナコーヒーはMIDIUMで酸味を味わうのをおすすめされることが多い印象です。

お店で買えるならば、店員さんにおすすめを聞くのがベストだと思います。

コーヒーの淹れ方の違い

カフェでコーヒーを購入する際には、どうやって淹れるのか観察してみるとおもしろいです。

淹れ方は大きく3種類。

  • 全て機械でコーヒーを煎れるオートドリップ
  • 全自動ではないものの、やはり機械を使うセミオート
  • 人の手で煎れるハンドドリップ

特に、ハンドドリップでおいしいコーヒーを淹れるには、技術が必要です。ハンドドリップを売りにしているカフェでは、一味違う一杯が飲めるでしょう。

このハンドドリップの技術は、国内外問わず、コーヒー競技会で審査されているようです。

以前、コーヒー競技会の入賞者の方からコーヒーを淹れてもらう機会がありました。香りが良くて、まるでフルーティーな紅茶のようで、感動したのを覚えています。同じ豆でも、淹れる人によって、素人にもわかるくらい美味しさが違うって、すごいなと。

コーヒーに興味を持つようになったのは、そのおいしい一杯を体験したことも理由の1つだったりします。

逆に、コーヒーショップで試飲して気に入った豆を購入して、自宅でハンドドリップしたら、おいしくなくて驚いたこともあります。「一袋30ドルもしたのに!」と絶望したことも!!

コーヒーマニアの友人に相談したら、原因はエスプレッソ用に細かく挽いた豆を、ハンドドリップして飲んでいたことでした。夫がエスプレッソ好きでそれ用に細かく豆を挽いていたんです。

コーヒーの飲み方によって、豆の粒度を変えて、旨味成分を適切に抽出する必要があることを知りました。

物理的で、おもしろい!!

グレードの違い

昔、コナコーヒーが貴重で価値が高いことから、粗悪品や偽物が出回ることがあったそうです。

調べたところ、現在はハワイ州の品質管理局が豆のグレード検査をして、品質が証明された豆のみ「コナコーヒー」として販売できるようです[1]。

グレードを決める指標は、コーヒーのブランドによって異なります。

コナコーヒーは、ハワイ州が4つの指標を定めていて、①欠陥豆の含有量、②豆の水分量、③生豆の色、④豆の大きさ、で評価しています[2]。

「コナコーヒー」として流通できる、品質が高い豆は、5つのグレードに分けられています。

最も品質の高い豆が、 EXTRA FANCY (エクストラファンシー)です。

その後に、FANCY、NUMBER1、SELECT、PRIMEと続きます。

コナコーヒーのグレード
コナコーヒーのグレード:品質の高い豆のグレードはEXTRA FANCYからPRIMEまで。EXTRA FANCYからNUMBER1までは③生豆の色、④豆の大きさも指標に含まれる。
ジュリ
ジュリ

NUMBER1は上から3番目のグレード。紛らわしい!!

EXTRA FANCY (エクストラファンシー)は収穫量が極めてしくなくて貴重な豆なので、ハワイ島で自分用に買っていきたいお土産の一つです。

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コナコーヒーのこそこそ話

他と比較してなぜ高いの?

コナコーヒーは、他の国のコーヒーと比べて値段が高いです。

理由は、大きく3つあるようです。

  • 生産量が限られているから。ハワイ島は日本の岐阜県と同じくらいの大きさ。その小さな島のコナ地区でとれて、且つ品質の良い豆だけが、コナコーヒーのブランドを掲げて販売・輸出できる。
  • アメリカで作られているコーヒーだから。ハワイ州は米国でも数少ないコーヒーを栽培している州。そして、農園で働く人々は、米国の物価に合わせた適正な価格の賃金が支払われている。しかも、コーヒーの実を1つずつ手摘みで収穫。
  • ハワイ島が太平洋の中心にある島だから。島から輸出するには相応の費用がかかる。

まとめると、コナコーヒーは生産量が限られて、アメリカの物価に合わせた人件費がかかっていて、そして太平洋の中心にある島から輸出するため、価格が高いのです。

「価格が高い」と繰り返しましたが、実はハワイ島のカフェではコナコーヒーは気軽に飲める料金となっています。

生産地ならではの価格帯なので、ハワイ島に訪れる際には、ぜひ味わいたいものです。

グレードがパッケージに書かれていないのはなぜ?

スーパーやオンラインショップでコナコーヒーの袋を見ると、グレードが書かれていないものがあることに気づきました。

ハワイ州 品質管理局のドキュメントを調べたところ、「Kona Coffee」と記載してハワイ州で販売したり輸出できるのは、ハワイ島のノースコナかサウスコナ地区でとれた、グレードが PRIME 以上の品質の高い豆のみ、とのこと。

つまり、パッケージに「KONA COFFEE」と記載があれば、粗悪品や偽物ではない、ということです。

なので、パッケージにグレードの記載がない時は、「PRIME以上の品質の良い豆なんだ」と解釈して買うことにしています。

p143-7
“Geographic region” means the geographic areas designated as follows: Hamakua is the district of Hamakua on the island of Hawai’i, as designated by the state of Hawaii Tax Map; Hawaii is the State of Hawaii; Hawaii Island is the island of Hawai’i, as designated by the State of Hawaii Tax Map; Kauai is the island of Kaua’i; Kona is the North Kona and South Kona districts on the island of Hawai’i, as designated by the State of Hawaii Tax Map; Maui is the island of Maui; Molokai is the island of Moloka’i; and Oahu is the island of Oahu.

p143-10
“Kona coffee” means green coffee processed from cherry coffee which is grown in the geographic region of Kona and which at least meets the minimum requirements of Kona prime green coffee.

p143-12 
“Offgrade” is a descriptive term applicable to coffee which has a market value, and designates a quality lower than Hawaii No.3 grade for green coffee, or the grade terms defined in section 4-143-11 for natural coffee, or the grade terms defined in section 4-143-12 for mixed natural coffee.

p143-19 
(f) (中略)Use of the terms “Kona”, “Kauai”, “Maui”, “Molokai”, “Oahu”, or “Hawaii Island” in conjunction with the term “No.3” is prohibited.
(g) Offgrade is not a grade within the meaning of these standards but is a descriptive term applicable to green coffee which has a market value and designates a quality lower than Hawaii No.3 green coffee. Use of the terms “Hamakua”, “Hawaii”, “Kau”, “Kona”, “Maui”, “Molokai”, “Oahu”, or “Hawaii Island” in conjunction with the term offgrade is prohibited.

The Hawaii Department of Agriculture’s(ハワイ州品質管理局), HAWAII ADMINISTRATIVE RULES 

品質が高い豆なのに試飲したらおいしくない?

お店のテイスティング用のポットに入ったコーヒーを飲んだときに「先日はおいしく感じてパッケージを購入したのに、今日はあまりおいしく感じられないな?」ということがありました。

調べてみると、コーヒーは淹れてから時間が経つと風味が変化したり、コーヒーを淹れる人の技術によってその豆のポテンシャルをどの程度引き出せているかが変わったりするので、試飲だけでは判断できない場合もあるのだそうです。

結論としては、「Kona Coffee」とパッケージに書かれているならば、コナ産でグレードはPRIME以上だと保証されている。ただ、試飲してイマイチと感じることがあれば、淹れてから時間が経っているかもしれないので、買いたいか検討しているなら、クチコミをよーく調べる、ということです(- -;)。

ハンドドリップする際のポイント

コーヒーをハンドドリップする際に、おいしく入れるポイントはいくつかあります。

  • 豆を挽くときの粒度は適切か
  • 豆と水の分量比は適切か
  • お湯の温度は適切か
  • お湯を注ぐタイミングや時間は適切か

自分の好みになるよう、少しずつ調整しながら飲むのは、ちょっとした実験のようです。

コーヒー技術者の入れ方を観ると、コーヒー豆とお湯の量を計り、お湯の温度を測り、淹れる時間も測っていて驚きます。プロの微調整は凄まじいです。例えば、1杯が豆:お湯=X:Yの分量比だとして、もし4杯つくるならプロは4X:4Yの単純な比例は使わず、さらに微調整して淹れるそうです。

もちろん、簡単においしい一杯がつくれるインスタントコーヒーも好きです。ただ、やっぱり自分でいちから入れるコーヒーは、特別においしく感じますね。


参考サイト・文献
1. The Hawaii Department of Agriculture’s, HAWAII COMMODITIES REGULATIONS COFFEE BEANS (Green), https://hdoa.hawaii.gov/qad/commodities-branch/, Accessed May-29-2022.
2. The Hawaii Department of Agriculture’s, HAWAII ADMINISTRATIVE RULES, https://hdoa.hawaii.gov/wp-content/uploads/2012/12/Chapter-4-143.pdf, Updated May-17-2017, Accessed May-29-2022.
3. The Hawaii Department of Agriculture’s, SUMMARY OF CHAPTER 4‐143 (effective July 1, 2020) HAWAII ADMINISTRATIVE RULES ‐ STANDARDS FOR COFFEE, https://hdoa.hawaii.gov/qad/files/2020/07/2020-Coffee-HAR-143-Summary-Defects-Allowance-back-to-15-eff-July1.pdf, Accessed May-29-2022.
4. ROYAL KONA, Kona Coffee – Why So Expensive?, https://www.royalkonacoffee.com/kona-coffee-expensive/, Updated Aug-28-2015, Accessed May-29-2022.
5. 若松和紀, 「極める 愉しむ 珈琲事典」, 西東社, 2017年12月.

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